2013東京大 文系数学３

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【解答】

　　　与えられた領域をDとし、境界線の円および直線を
　　　C：x²+y²=25、L:y=－2x+5 とおく。
　　　ここで、CとLの交点をA、Bとすると、
　　　　　　　　x²+(－2x+5)²=25
　　　　　　⇔　5x²－20x=0
　　　　　　⇔　x=0，－4
　　　より、
　　　　　　　　A(0，5)、　B(4，－3)
　　　となる。
　　　これより、直線OAおよびOBの方程式は、
　　　　　　　　OA： x=0　　　OB: 4y=－3x
　　　となる。
　　　さらに、A、Bを通り、Lと垂直な直線をそれぞれ
　　　m₁、m₂とおくと、それぞれの方程式は
　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf m_1:\ y-5=\frac{1}{2}(x-0)\ \ \Leftrightarrow\ \ 2y=x+10\end{align*}}$
　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf m_2:\ y-(-3)=\frac{1}{2}(x-4)\ \ \Leftrightarrow\ \ 2y=x-10\end{align*}}$
　　　となる。
　　　一方、与えられたzの式は、
　　　　　　　　z=(x－a)²+(y－b)²－(a²+b²)
　　　と変形でき、
　　　点P(a，b)からD内の点Q(x，y)までの距離をd（≧0）とおくと
　　　　　　　　z=d²－(a²+b²)
　　　と表すことができ、a、bは定数なので、zが最小になるのは、
　　　dが最小になるときである。


　　　(ⅰ) PがD内にあるとき、すなわち
　　　　　 a²+b²≦25 かつ 2a+b≦5 のとき
　　　　　　PとQが一致するときにdは最小となり、
　　　　　　その値は0である。
　　　　　　よって、zの最小値は、
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf z_{min}=\underline{\ -(a^2+b^2)\ }\end{align*}}$




　　　(ⅱ) Pが、Lの上側かつm₁の下側かつm₂の上側にあるとき、
　　　　　 すなわち、
　　　　　 b≧－2a+5 かつ 2b≦a+10 かつ 2b≦a－10 のとき
　　　　　　QがPからLに下ろした垂線の足と一致するときに
　　　　　　dは最小となり、その値は
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf d=\frac{|-2a-b+5|}{\sqrt{2^2+1^2}}=\frac{|-2a-b+5|}{\sqrt5}\end{align*}}$
　　　　　　である。
　　　　　　よって、zの最小値は、
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf z_{min}=\left(\frac{|-2a-b+5|}{\sqrt5}\right)^2-(a^2+b^2)\end{align*}}$
　　　　　　　　　　　 $\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf =\underline{\ \frac{-a^2-4b^2+4ab-20a-10b+25}{5}\ }\end{align*}}$


　　　(ⅲ) PがOAの右側かつm₁の上側にあるとき、
　　　　　 すなわち、2b＞a+10 かつ a＞0 のとき
　　　　　　QがAと一致するときにdは最小となり、
　　　　　　その値は
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf d=\sqrt{a^2+(b-5)^2}\end{align*}}$
　　　　　　である。
　　　　　　よって、zの最小値は、
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf z_{min}=\left(\sqrt{a^2+(b-5)^2}\right)^2-(a^2+b^2)\end{align*}}$
　　　　　　　　　　　 $\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf =\underline{\ -10b+25\ }\end{align*}}$



　　　(ⅳ) PがOBの上側かつm₂の下側にあるとき、
　　　　　 すなわち、2b＜a－10 かつ 4b＞－3a のとき
　　　　　　QがBと一致するときにdは最小となり、
　　　　　　その値は
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf d=\sqrt{(a-4)^2+(b+3)^2}\end{align*}}$
　　　　　　である。
　　　　　　よって、zの最小値は、
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf z_{min}=\left(\sqrt{(a-4)^2+(b+3)^2}\right)^2-(a^2+b^2)\end{align*}}$
　　　　　　　　　　　 $\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf =\underline{\ -8a+6b+25\ }\end{align*}}$



　　　(ⅴ) (ⅰ)～(ⅳ)以外のとき、すなわち、
　　　　　 a²+b²＞25 かつ （a≦0 または 4b≦－3a）のとき
　　　　　　Qが半直線OPと円Cの交点と一致する
　　　　　　ときにdは最小となり、その値は
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf d=OP-OQ=\sqrt{a^2+b^2}-5\end{align*}}$
　　　　　　である。
　　　　　　よって、zの最小値は、
　　　　　　　　　$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf z_{min}=\left(\sqrt{a^2+b^2}-5\right)^2-(a^2+b^2)\end{align*}}$
　　　　　　　　　　　 $\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf =\underline{\ 25-10\sqrt{a^2+b^2}\ }\end{align*}}$





　　きっちり場合分けする必要があります。