第8問
すべての項が整数である数列を整数列という。p、q、r、sを実数とし、
正の整数nに対し、
an=p+qn+rn2 、 bn=p+qn+rn2+sn3
とおく。このとき以下の命題を示せ。
(1) 数列{an}が整数列ならば、2rは整数である。
(2) 数列{bn}が整数列であるための必要十分条件は、pとq+r+sと
2rと6sがいずれも整数となることである。
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【解答】
(1)
n=1,2,3として、
a1=p+q+r
a2=p+2q+4r
a3=p+3q+9r
差をとると、
a2-a1=q+3r ・・・・①
a3-a2=q+5r ・・・・②
さらに、①、②の差をとると、
a3-2a2+a1=2r ・・・・③
ここで、{an}は整数列なので、a1、a2、a3はすべて整数である。
よって、③より、2rは整数である。
(2)
n=1,2,3,4として、
b1=p+q+r+s
b2=p+2q+4r+8s
b3=p+3q+9r+27s
b4=p+4q+16r+64s
差をとると、
b2-b1=q+3r+7s ・・・・④
b3-b2=q+5r+19s ・・・・⑤
b4-b3=q+7r+37s ・・・・⑥
さらに順次差をとっていくと、
⑤-④ b3-2b2+b1=2r+12s ・・・・⑦
⑥-⑤ b4-2b3+b2=2r+18s ・・・・⑧
⑧-⑦ b4-3b3+3b2-b1=6s ・・・・⑨
⑨において、{bn}は整数列なので、b1~b4はすべて整数。
よって、6sは整数となる。
ここで、6s=K (K:整数)とおいて、⑦に代入すると、
b3-2b2+b1=2r+2K
⇔ 2r=b3-2b2+b1-2K
となり、2rも整数となる。
2r=L (L:整数)とおいて、④に代入すると、
b2-b1=(q+r+s)+2r+6s
⇔ q+p+r=b2-b1-L-K
となり、q+r+sも整数である。
さらに、q+r+s=M (M:整数)とおくと、
b1=p+(q+r+s)
⇔ p=b1-M
となるので、pも整数となる。以上より、必要性は示された。
逆にp、q+r+s、2r、6sがいずれも整数であるとき、
p=N
q+r+s=M
2r=L
6s=K
とおいて(K、L、M、Nは整数)、{b}nが整数列であることを
数学的帰納法で示す。
(ⅰ)n=1のとき
b1=p+(q+r+s)=N+M は整数である。
(ⅱ)n=iのとき
bi=p+qk+ri2+si3が整数である
と仮定する。
n=i+1のとき
bi+1=p+q(i+1)+r(i+1)2+s(i+1)3
=(p+qi+ri2+si3)+(q+r+s)+2ri+3si(i+1)
=b1+M+Li+$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf \frac{1}{2}\end{align*}}$ Ki(i+1)
ここで、bi、M、L、M、iはすべて整数であり、
連続2整数の積 i(i+1)は2の倍数なので、bi+1は整数となる。
よって、任意の自然数nに対してbnは整数となるので、十分性も示された。
少し丁寧に書きすぎたので、長くなってしまいましたね^^;;
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/11/08(木) 01:08:00|
- 大学入試(数学) .関東の大学 .千葉大 2012
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