第3問
座標平面上において、点(x,y)から点(x+1,y)または点(x,y+1)への
移動をN型移動といい、点(x,y)から点(x+1,y+1)への移動をS型移動
という。nを3以上の整数とする。原点Oから出発し、2n-2回のN型移動と
1回のS型移動を組み合わせて点(n,n)に到達する経路の総和をA(n)とす
る。また、このような経路のうち、S型移動をk回目の移動として含む経路の
総数をB(n,k)とする。このとき、次の問いに答えよ。
(1) A(3)を求めよ。
(2)B(4,1)、B(4,2)をそれぞれ求めよ。
(3)B(n,1)をnを用いて表せ。
(4)一般のk=2,3,・・・,2n-1に対して、B(n,k)をn、kを用いて表せ。
(5)A(n)をnを用いて表せ。
ただし、p、q、rを非負の整数とし、p≦q≦rとするとき、
$\small\sf{\begin{align*} \sf \sum_{i=0}^p\ _P C_i\cdot _r C_{q-i}=_{p+r} C_q\end{align*}}$
が成り立つことを用いてもよい。
(3の(1)、(2)、(3)については計算の過程を記入しなくてよい)
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【解答】
以下、2つのN型移動のうち
点(x,y)から点(x+1,y)への移動を N1型移動
点(x,y)から点(x,y+1)への移動を N2型移動
と呼ぶことにする。
(1)
S型移動1回とN型移動4回の計5回の移動で、原点から点(3,3)へ
移動するためには、
S型移動を1回
N1型移動を2回
N2型移動を2回
行えばよい。
5回のうちで何番目にS型移動を行うかは5通り考えられ、
残りの4回のうちでN1型移動の場所は4C2通り考えられる。
よって、
A(3)=5×4C2=30
(2)
B(4,1)およびB(4,2)について、
S型移動を何回目に行おうとも、残りの6回の移動は、
N1型、N2型移動をそれぞれ3回ずつ行えばよいので、
B(4,1)=B(4,2)=6C3=20
(3)(4)
B(n,k)についても(2)と同様に、kの値すなわちS型移動を何回目に
行うかは経路の総和に影響しない。
よって、2n-2回のN型移動は、N1型、N2型移動をそれぞれn-1回
ずつ行えばよいので、2n-1以下の任意のkに対して、
B(n,k)=2n-2Cn-1
よって、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf B\ (n,k)=\underline{\ \frac{(2n-2)!}{\{(n-1)!\}^2 }\ \ }\end{align*}}$
(5)
(3)(4)より
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf A\ (n)=(2n-1)\times\frac{(2n-2)!}{\{(n-1)!\}^2}=\underline{\ \frac{(2n-1)!}{\{(n-1)!\}^2}\ \ }\end{align*}}$
とまぁ、最後に与えられた式を使わないまま終わってしまいましたww
問題を作成した教授は、(4)で次のように解いて欲しかったんだと思います。
k回目のS型移動までにi回(i=0,1,・・・,k-1)のN1型移動を行うとすると、
1~k-1回目
N1型がi回
N2型がk-1-i回
k+1~2n-1回目
N1型が、n-1-i回
N2型が、(n-1)-(k-1-i)=n-k+i回
となればよい。
i=0,1,・・・,k-1の総和を考えると、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf {\color{blue}B\ (n,k)=\sum_{i=0}^{k-1}\ _{k-1} C_i\cdot _{2n-k-1} C_{n-1-i}}\end{align*}}$
これに与えられた式を適用して、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf {\color{blue} B\ (n,k)=_{2n-2}C_{n-1}}\end{align*}}$
と、こんな感じの答案を想定して出題したんでしょうかね・・・・・?
まぁ、普通に失敗作でしょww
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2012/02/29(水) 23:54:00|
- 大学入試(数学) .関西の公立大学 .大阪府立大 中期 2010(工)
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