第1問
(1) 実数を係数とする3次の整式P(x)があり、P(x)は2次式x2+ax+bで
割り切れるとする。また方程式P(x)=0は異なる3つの解を持ち、それ
らの絶対値は等しいとする。このとき、a、bが満たすべき条件を求め、
さらにa、bを用いてP(x)を表せ。ただし、a、bは実数であるとし、また
P(x)の3次の係数は1とする。
(2) 実数を係数とする4次方程式Q(x)=0は異なる4つの解を持ち、それら
は複素数平面において同一円周上にあるとする。解の2つが-3,5+4i
であるとき、他の2つの解を求めよ。ただし、iは虚数単位である。
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【解答】
(1)
実数係数の3次式P(x)は、x2+ax+bで割り切れ、x3の係数が1なので、
実数cを用いて
P(x)=(x2+ax+b)(x-c)
と表すことができる。
また、方程式P(x)=0は、異なる3つの解を持ち、それらの絶対値が
等しいので、方程式x2+ax+b=0 ・・・・・・(*) は虚数解をもつ。
判別式を考えると、
D=a2-4b<0 ⇔ a2<4b ・・・・・・(ⅰ)
(*)の虚数解を$\scriptsize\sf{\alpha}$ とおくと、(*)は実数係数の2次方程式なので、
他解は$\scriptsize\sf{\overline{\alpha}}$ となる。よって、解と係数の関係より、
$\scriptsize\sf{|\alpha|^2=\alpha\ \overline{\alpha}=b}$
(ⅰ)より、b>0なので、
|$\scriptsize\sf{\alpha}$ |=$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf \sqrt{b}\end{align*}}$
よって、P(x)=0の3解x=c、$\scriptsize\sf{\alpha}$ 、$\scriptsize\sf{\overline{\alpha}}$ の絶対値は等しいので、
|c|=|$\scriptsize\sf{\alpha}$ |=$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf \sqrt{b}\end{align*}}$ ⇔ c=±$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf \sqrt{b}\end{align*}}$
以上より、題意を満たすa,bの条件は
$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf \underline{a^2\lt 4b}\end{align*}}$
であり、P(x)はa、bを用いて
$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf P\left(x\right)=\underline{\left(x^2+ax+b\right)\left(x\pm\sqrt{b}\right)}\end{align*}}$
と表すことができる。
(2)
方程式Q(x)=0は、実数係数の方程式なので、x=5+4iを解に持つとき、
x=5-4iも解に持つ。
もう1つの解は実数解であり、それをx=dとおく。複素平面上の4点
A(5+4i)、 B(-3)、 C(5-4i)、 D(d)
を考えると、AとCは実軸について対称なので、これら4点を通る円は、
実軸について対称である。
すなわちBDが直径となるので、∠BAD=90°である。
$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf \frac{d-\left(5+4i\right)}{-3-\left(5+4i\right)}=-\frac{1}{4}\cdot\frac{d-5-4i}{2-i}=-\frac{2d-14-\left(d+3\right)i}{20}\end{align*}}$
これが純虚数であればよいので、
2d-14=0 ⇔ d=7
以上より、方程式Q(x)=0の他解は
x=5-4i, 7
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/10/06(土) 02:03:00|
- 大学入試(数学) .関西の公立大学 .和歌山県立医大 2017
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