第3問
a、b、cを1以上7以下の互いに異なる整数とする。
(1) 2次方程式ax2+bx+c=0が有理数解をもつような組(a,b,c)の
総数を求めよ。
(2) 2次方程式ax2+bx+c=0が少なくとも一つの整数解をもつような
組(a,b,c)の総数を求めよ。
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【解答】
(1)
二次方程式ax2+bx+c=0の解は
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf x=\frac{-b\pm\sqrt{b^2-4ac}}{2a}\end{align*}}$
これが有理数になるためには、根号の中が平方数であればよいので、
0以上の整数nを用いて、b2-4ac=n2と表せる。
このとき、
n2=b2-4ac≧0 ⇔ b2≧4ac≧8
より、b=3,4,5,6,7である。
また明らかにb>nであり、bとnの偶奇は一致する。
よって、a、b、cの値の組(a,b,c)は
(ⅰ) b=3のとき
32-4ac=12 ⇔ ac=2
⇔ (a,b,c)=(1,3,2)、(2,3,1)
(ⅱ) b=4のとき
42-4ac=22 ⇔ ac=3
⇔ (a,b,c)=(1,4,3)、(3,4,1)
42-4ac=02 ⇔ ac=4
これを満たすa、cは存在しない
(ⅲ) b=5のとき
52-4ac=32 ⇔ ac=4
⇔ (a,b,c)=(1,5,4)、(4,5,1)
52-4ac=12 ⇔ ac=6
⇔ (a,b,c)=(1,5,6)、(6,5,1)、(2,5,3)、(3,5,2)
(ⅳ) b=6のとき
62-4ac=42 ⇔ ac=5
⇔ (a,b,c)=(1,6,5)、(5,6,1)
62-4ac=22 ⇔ ac=8
⇔ (a,b,c)=(2,6,4)、(4,6,2)
62-4ac=02 ⇔ ac=9
これを満たすa、cは存在しない
(ⅴ) b=7のとき
72-4ac=52 ⇔ ac=6
⇔ (a,b,c)=(1,7,6)、(6,7,1)、(2,7,3)、(3,7,2)
72-4ac=32 ⇔ ac=10
⇔ (a,b,c)=(2,7,5)、(5,7,2)
72-4ac=12 ⇔ ac=12
⇔ (a,b,c)=(2,7,6)、(6,7,2)、(3,7,4)、(4,7,3)
これらの総数は、24通りある。
(2)
(a,b,c)=(1,5,6)のとき
x2+5x+6=(x+2)(x+3)=0 となり整数解x=-2,-3をもつ
(a,b,c)=(6,5,1)のとき
6x2+5x+1=(2x+1)(3x+1)=0 となり整数解をもたない
(a,b,c)=(2,7,3)のとき
2x2+7x+3=(x+3)(2x+1)=0 となり整数解x=-3をもつ
(a,b,c)=(3,7,2)のとき
3x2+7x+2=(x+2)(3x+1)=0 となり整数解x=-2をもつ
(a,b,c)=(2,7,6)のとき
2x2+7x+6=(x+2)(2x+3)=0 となり整数解x=-2をもつ
(a,b,c)=(6,7,2)のとき
6x2+7x+2=(2x+1)(3x+2)=0 となり整数解をもたない
(1)の24通りのうち、これ以外の場合はすべてa-b+c=0を満たすので、
方程式ax2+bx+c=0は整数解x=-1をもつ。
よって、題意を満たすようなa、b、cの組は22通りある。
ひたすら書き上げていきましょう!
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/10/29(月) 03:03:00|
- 大学入試(数学) .全国の大学 .東北大 理系 2017
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