第3問
硬貨が2枚ある。最初は2枚とも表の状態で置かれている。次の操作を
n回行ったあと、硬貨が2枚とも裏になっている確率を求めよ。
[操作] 2枚とも表、または2枚とも裏のときには、2枚の硬貨両方を投げる。
表と裏が1枚ずつのときには、表になっている硬貨だけを投げる。
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【解答】
状態A・・・2枚ともが裏の状態
状態B・・・2枚ともが表の状態
状態C・・・表と裏が1枚ずつの状態
とおく。
・Aの状態で操作を1回行うと、
1/4の確率で状態Aに、1/4の確率でBに、1/2の確率でCになる。
・Bの状態で操作を1回行うと、
1/4の確率でAに、1/4の確率でBに、1/2の確率でCになる。
・Cの状態で操作を1回行うと、
1/2の確率でAに、1/2の確率でCになる。
よって、操作をn回行った後に状態A、B、Cである確率をそれぞれ
an、bn、cnとすると、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf a_1=b_1=\frac{1}{4}\ \ ,\ \ c_1=\frac{1}{2}\ \ \ \ldots\ldots\ldots(i)\end{align*}}$
また、n=1,2,3,・・・に対して
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf a_n+b_n+c_n=1\end{align*}}$
なので、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf c_{n+1}=\frac{1}{2}\left(a_n+b_n+c_n\right)=\frac{1}{2}\ \ \ \ldots\ldots\ldots(ii)\end{align*}}$
$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf a_{n+1}&=\sf \frac{1}{4}\left(a_n+b_n\right)+\frac{1}{2}c_n\\ &=\sf \frac{1}{4}\left(1-c_n\right)+\frac{1}{2}c_n\\ &=\sf \frac{1}{4}+\frac{1}{4}c_n\\ &=\sf \frac{1}{4}+\frac{1}{4}\cdot\frac{1}{2}\ \ \ \ \left(\because\ (i),(ii)\right)\\ &=\sf \frac{3}{8}\end{align*}}$
以上より、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf \underline{\sf a_1=\frac{1}{4}\ \ ,\ \ a_n=\frac{3}{8}\ \left(n\geqq 2\right)}\end{align*}}$
n=1のときは場合分けが必要です。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/11/15(木) 01:08:00|
- 大学入試(数学) .関東の大学 .一橋大 2016
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