第1問
自然数nに対して、nのすべての正の約数(1とnを含む)の和をS(n)と
おく。例えば、S(9)=1+3+9=13である。このとき以下の各問いに答え
よ。
(1) nが異なる素数pとqによってn=p2qと表されるとき、S(n)=2nを満た
すnをすべて求めよ。
(2) aを自然数とする。n=2a-1がS(n)n+1を満たすとき、aは素数である
ことを示せ。
(3) aを2以上の自然数とする。n=2a-1(2a-1)がS(n)≦2nを満たすとき、
nの1の位は6か8であることを示せ。
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【解答】
(1)
S(n)=2n ⇔ (1+p+p2)(1+q)=2p2q
であり、
1+p+p2=1+p(p+1)
と変形できるので、1+p+p2(>p2)は奇数である。
よって、1+qは偶数になるので、1+p+p2と1+qの組は
(1+p+p2,1+q)=(pq,2p)、(q,2p2)
の2つの場合が考えられる。
・(pq,2p)のとき、qを消去すると
1+p+p2=p(2p-1) ⇔ p2-2p-1=0
となるので、これをみたす素数pは存在しない。
・(q,2p2)のとき、qを消去すると
1+p+p2=2p2-1 ⇔ p2-p-2=0
⇔ p=-1,2
よって、p=2、q=7となるので、
n=22・7=28
(2)
S(n)=n+1より、nは素数である。
aが合成数a=bc (b≠1、c≠1)であると仮定すると、
n=2bc-1
=(2b)c-1c
=(2b-1)(1+2b+22b+・・・+2bc)
となり、nが素数であることに矛盾する。
よって、aは素数である。
(3)
$\scriptsize\sf{\begin{align*}\sf S(n)&\geqq \sf \left(1+2+2^2+\ldots +2^{a-1}\right)\left\{1+\left(2^a-1\right)\right\}\\ &=\sf \frac{2^a-1}{2-1}\cdot 2^a\\ &=\sf 2\cdot 2^{a-1}\left(2^a-1\right)\\ &=\sf 2n\end{align*}}$ ・・・・・・(#)
このことと、S(n)≦2nより、S(n)=2nである。
(#)の等号が成立するのは、2a-1が素数のときなので、
(2)より、aは素数である。
・a=2のとき
n=2・(22-1)=6
・a=3のとき
n=22・(23-1)=28
・a>3のとき、aは素数なので、自然数mを用いて
a=4m+1 または a=4m+3 と表せる。
以下、mod10の合同式を考えると、
a=4m+1のとき
n≡24m(24m+1-1)
≡16m・(2・16m-1)
≡6m・(2・6m-1)
≡6・(2・6-1) (∵ 62≡6)
≡66
≡6
a=4m+3のとき
n≡24m+2(24m+3-1)
≡4・16m・(8・16m-1)
≡4・6・(8・6-1) (∵ 62≡6)
≡24・47
≡8
以上より、題意は示された。
(1)は「完全数」、(2)は「メルセンヌ数」の話です。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/11/16(金) 01:16:00|
- 大学入試(数学) .関東の大学 .東京医科歯科大 2016
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