昨日で一学期の授業が終了です。といっても、いきなり今日から夏期講習なのですが……。
では、京大の続きです。
第5問
xyz空間で、原点Oを中心とする半径
の球面 S と3点 (4,0,0)、(0,4,0)、(0,0,4) を
通る平面 α が共有点を持つことを示し、点 (x,y,z) がその共有点全体の集合を動くとき、
積 xyz の取り得る値の範囲を求めよ。
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なんか京大の問題っぽくなってきましたね。
前半は、座標空間における平面の方程式、点と平面の距離の公式を用いれば、簡単にいくでしょう。
しかし、これらは教科書では発展学習としてしか扱われていないので、学校で習っていないという
生徒も多いみたいです。京大を受験するのであれば必須なのですが、ここではこれらを使わずに
解いてみることにします。きれいな図形なのでうまくいくはず。 
A(4,0,0)、B(0,4,0)、C(0,0,4)とすると、
OA=OB=OC
また、AB=BC=CAでもあるので、四面体OABCは
△ABCを底面とする正三角錐になる。
よって、点Oから△ABCに下ろした垂線の足Hは、
△ABCの外心。
△ABCは正三角形なので、点Hは△ABCの重心
でもあるので、
)
球の中心Oからの距離と半径を比較すると、

よって、点Hは球の内部にあるので、平面αと球面は共有点をもつ。
まぁ前半部分はこんな感じでいいんじゃないでしょうか。
さて、後半部分ですが図形的なイメージがつかみにくいでしょうから、数式でごり押しです。
x、y、zについての対称式なので、まずは基本対称式であるx+y+z、xy+yz+zx、xyz
の3つをつくり、解と係数の関係で3次方程式にもちこんでみましょう。 平面αと球面との共有点P(x,y,z)を考える。
まず、Pは球面上にあるので、OP
2=x
2+y
2+z
2=6 ・・・・・①
次に、点Pは平面ABC上にあるので、a+b+c=1 ・・・・・② を満たす実数a,b,cを用いて、

と表せる。これに成分を代入すると、
(x,y,z)=(4a,4b,4c)
これと②より、
x+y+z=4 ・・・・・・③
が得られる。
また、①、③より、
xy+yz+zx={(x+y+z)
2-(x
2+y
2+z
2)}÷2=5 ・・・・・④
xyz=kとおくと、
3次方程式の解と係数の関係より、x、y、zはsについての3次方程式
s
3-4s
2+5s-k=0・・・・・⑤
の3解になる。これを
s
3-4s
2+5s=k・・・・・⑤'
と変形し、f(s)=s
3-4s
2+5s とおく。
f'(s)=3s
2-8s+5=(s-1)(3s-5)
より、f(s)の増減表およびt=f(s)のグラフは下の通り


⑤の方程式の解は、t=f(s)のグラフと
直線t=kとの交点を考えればよい。
x、y、zは実数なので、⑤が重解も含めて
3つの実数解をもつためには、

であればよい。
よって、xyzの取り得る値の範囲は、
うまく3次方程式に持ち込めたが勝負の分かれ目でしょうか。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2011/07/21(木) 02:15:55|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 理系 2011
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