第1問
実数p、q、rに対して、3次多項式f(x)をf(x)=x3+px2+qx+rと
定める。実数a、c、および0でない実数bに対して、a+biとcは
いずれも方程式f(x)=0の解であるとする。ただし、iは虚数単位
を表す。
(1) y=f(x)のグラフにおいて、点(a,f(a))における接線の傾きを
s(a)とし、点(c,f(c)) における接線の傾きをs(c)とする。
a≠cのとき、s(a)とs(c)の大小を比較せよ。
(2) さらに、a、cは整数であり、bは0でない整数であるとする。
次を証明せよ。
(ⅰ) p、q、rはすべて整数である。
(ⅱ) pが2の倍数であり、qが4の倍数であるならば、a、b、cは
すべて2の倍数である。
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【解答】
f(x)=x3+px2+qx+r
f’(x)=3x2+2px+q
a、b、p、q、rは実数なので、複素数a+biが方程式f(x)=0の
解であるとき、共役複素数a-biも解となる。
よって、解と係数の関係より
p=-{(a+bi)+(a-bi)+c}=-2a-c
q=(a+bi)(a-bi)+(a+bi)c+(a-bi)c=a2+b2+2ac
r=-(a+bi)(a-bi)c=-(a2+b2)c ……(#)
(1)
s(c)-s(a)=f’(c)-f’(a)
=(3c2+2pc+q)-(3a2+2pa+q)
=3c2-3a2+2p(c-a)
=3c2-3a2+2(-2a-c)(c-a) ←(#)より
=c2-2ac+a2
=(a-c)2>0 (∵ a≠c)
よって、s(c)>s(a)である。
(2)(ⅰ)
a、b、cが整数なので、(#)よりp、q、rはすべて整数となる。
(2)(ⅱ)
pは2の倍数、qは4の倍数なので、整数m、nを用いてそれぞれ
p=2m、 q=4nと表される。
(#)より
p=-2a-c=2m ⇔ c=-2(a+m)
となるので、cは2の倍数である。よって、c=2Cとおくと、
(#)より
q=a2+b2+2ac=4n ⇔ a2+b2=4(n-aC)
となるので、a2+b2は4の倍数である。
以下、A、Bを整数とする。
(ア) a=2A-1、 b=2B-1のとき
a2+b2=(2A-1)2+(2B-1)2
=4(A2+B2-A-B)+2
となるので、a2+b2は4の倍数とならない。
(イ) a=2A、 b=2B-1のとき
a2+b2=(2A)2+(2B-1)2
=4(A2+B2-B)+1
となるので、a2+b2は4の倍数とならない。
(ウ) a=2A-1、 b=2Bのとき
a2+b2=(2A-1)2+(2B)2
=4(A2+B2-A)+1
となるので、a2+b2は4の倍数とならない。
(エ) a=2A、 b=2Bのとき
a2+b2=(2A)2+(2B)2
=4(A2+B2)
となるので、a2+b2は4の倍数となる。
以上より、a、b、cはすべて2の倍数である。
3次方程式の解と係数の関係は知ってますか?
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/11/15(木) 01:01:00|
- 大学入試(数学) .関東の大学 .一橋大 2010
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