第4問
一列の並んだ3つの部屋A、B、Cがあり、2頭の象がいる。2頭の象は
毎日1つの部屋から隣の部屋に、次のルールに従って移動する。
0<p<1とし、象が部屋Aと部屋Bにいるとき、部屋Aにいる象は部屋A
に留まり、部屋Bにいる象が確率pで部屋Cに移る。象が部屋Bと部屋C
にいるとき、部屋Cにいる象は部屋Cに留まり、部屋Bにいる象が確率
1-pで部屋Aに移る。象が部屋Aと部屋Cにいるとき、部屋Aにいる象
が確率pで部屋Bに移り、移らない場合は部屋Cにいる象が部屋Bに移る。
2頭の象が同時に同じ部屋にはいることはできない。
はじめに2頭の象はそれぞれ部屋Aと部屋Bにいるものとし、2n日後に
象が部屋Aにいる確率をan(n=1,2,…)とおく。このとき、次の問い
に答えよ。
(1) a1を求めよ。
(2) an+1をanを用いて表せ。
(3) p=$\small\sf{\begin{align*} \sf \frac{2}{3}\end{align*}}$ のとき、anを求めよ。
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【解答】
2頭の象が、
部屋AとBにいる状態を状態X
部屋AとCにいる状態を状態Y
部屋BとCにいる状態を状態Z
とし、2n日後に状態X、Y、Zにある確率をそれぞれ
xn、yn、znとすると、
xn+yn+zn=1 ……(ⅰ)
x0=1、 y0=z0=0 ……(ⅱ)
また、2n日後に象が部屋Aにいる確率がanなので、
an=xn+yn=1-zn ……(ⅲ)
である。
(1)
2日間で象は下図のように移動するので、

zn+1=p2xn+p2yn+{p2+(1-p)p}zn
=p2(xn+yn)+pzn
=p2(1-zn)+pzn ←(ⅰ)より
=(p-p2)zn+p2 ……(#)
となる。
よって、(ⅱ)より
Z1=(p-p2)z0+p2=p2
となるので、(ⅲ)より
a1=1-z1=1-p2
(2)
(#)および(ⅲ)より
1-an+1=(p-p2)(1-an)+p2
⇔ an+1=(p-p2)an+1-p
となる。
(3)
p=$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf \frac{2}{3}\end{align*}}$ のとき、(2)の漸化式は、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf a_{n+1}=\frac{2}{9}\ a_n+\frac{1}{3}\ \ \Leftrightarrow\ \ a_{n+1}-\frac{3}{7}=\frac{2}{9}\left(a_n-\frac{3}{7}\right)\end{align*}}$
と変形できるので、数列 $\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf \left\{a_n -\frac{3}{7}\right\}\end{align*}}$ は等比数列となる。
よって、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf a_n-\frac{3}{7}=\left(\frac{2}{9} \right)^n\left(a_0- \frac{3}{7}\right)=\frac{4}{7}\left(\frac{2}{9} \right)^n\end{align*}}$
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf \ \ \Leftrightarrow\ \ \underline{\ a_n=\frac{1}{7}\left\{ 4\left( \frac{2}{9}\right)^n+3\right\}}\end{align*}}$
znを考えると楽です。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/10/10(水) 01:17:00|
- 大学入試(数学) .全国の大学 .旭川医科大 2014
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