第4問
rを0以上の整数とし、数列{an}を次のように定める。
a1=r、 a2=r+1
an+2=an+1(an+1) (n=1、2、3、…)
また、素数pを1つとり、anをpで割った余りをbnとする。ただし、
0をpで割った余りは0とする。
(1) 自然数nに対し、bn+2はbn+1(bn+1)をpで割った余りと一致
することを示せ。
(2) r=2、p=17の場合に、10以下のすべての自然数nに対して、
bnを求めよ。
(3) ある2つの相異なる自然数n、mに対して、
bn+1=bm+1>0、 bn+2=bm+2
が成り立ったとする。このとき、bn=bmが成り立つことを示せ。
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【解答】
bnはanをpで割った余りなので、
bnは、 0≦bn≦p-1 を満たす整数である。 ……(#)
(1)
anをpで割ったときの商をcnとすると、
an=pcn+bn
と表すことができる。これより、
an+2=an+1(an+1)
⇔ pcn+2+bn+2=(pcn+1+bn+1)(pcn+bn+1)
⇔ bn+2-bn+1(bn+1)=p×整数
となるので、
bn+2-bn+1(bn+1)はpの倍数である。 ……(A)
よって、bn+2は、bn+1(bn+1)をpで割った余りと一致する。
(2)
まず、a1=2、a2=3より
b1=2、 b2=3 .
(1)より
b2(b1+1)=9 なので b3=9
b3(b2+1)=36=17・2+2 なので b4=2
b4(b3+1)=20=17・1+3 なので b5=3
となり、以下も同様に計算していくと、
b1=b4=b7=b10=2
b2=b5=b8=3
b3=b6=b9=9
を得る。
(3)
M、Nを0以上の整数とすると、(A)より
bm+2-bm+1(bm+1)=pM
bn+2-bn+1(bn+1)=pN
と表すことができる。
ある2つの相異なる自然数n、mに対して、
bn+1=bm+1>0、 bn+2=bm+2
が成り立つとき、上式は
bm+2-bm+1(bm+1)=pM
bm+2-bm+1(bn+1)=pN
となるので、両辺の差をとると、
bm+1(bm-bn)=p(N-M).
ここで、bm+1>0と(#)より、bm+1は1、2、…、p-1のいずれか
であり、pは素数なので、pとbm+1と互いに素である。
よって、bm-bnはpの倍数である。
(#)より
0≦bn≦p-1 かつ 0≦bm≦p-1
なので、
-(p-1)≦bm-bn≦p-1
この範囲にあるpの倍数は0のみである。よって、
bm-bn=0
より、bm=bnが導かれる。
文系だと難しいかも。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/11/21(水) 01:16:00|
- 大学入試(数学) .関東の大学 .東京大 文系 2014
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