第3問
数直線上を動く点Pがある。裏表の出る確率が等しい硬貨を
2枚投げて、2枚とも表が出たらPは正の向きに1だけ移動し、
2枚とも裏が出たらPは負の向きに1だけ移動し、それ以外の
ときはその位置にとどまるものとする。Pが原点Oを出発点と
して、このような試行をn回繰り返して到着した位置をSnと
する。以下の問いに答えよ。
(1) S2=-1となる確率を求めよ。
(2) S3=1となる確率を求めよ。
(3) 試行をn回繰り返して出た表の総数をiとするとき、Snを
求めよ。
(4) kを整数とするとき、Sn=kとなる確率を求めよ。
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【解答】
裏表の出方を次のようにA、B、Cと表すことにする。
A・・・2枚とも表
B・・・2枚とも裏
C・・・表裏1枚ずつ
このとき、各試行においてA、B、Cの起こる確率は順に
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf \frac{1}{4}\ , \ \frac{1}{4}\ ,\ \frac{1}{2}\end{align*}}$
である。
(1)
S2=-1となるためには、BとCが1回ずつ起こればよいので、
その確率は、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf 2!\cdot\frac{1}{4}\cdot\frac{1}{2}=\underline{\ \frac{1}{4}\ }\end{align*}}$
(2)
S3=1となるためには、次の2つのパターンがある。
(ア)Aが1回、Cが2回
(イ)Aが2回、Bが1回
よって、その確率は、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf _3C_1\cdot\frac{1}{4}\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^2+_3C_2\cdot\left(\frac{1}{4}\right)^2\cdot\frac{1}{4}=\underline{\ \frac{15}{64}\ }\end{align*}}$
(3)
n回のうちでA、B、Cが起こった回数をそれぞれa、b、cとすると、
a+b+c=n ・・・・①
また、出た表の総数がiなので、
2a+c=i ・・・・②
このとき、到着した位置は
Sn=a-b
=a-(n-a-c) ←①より
=-n+2a+c
=-n+i ←②より
(4)
2枚の硬貨をn回投げるので、硬貨はのべ2n回投げられた
ことになる。
(3)より
Sn=-n+i=k ⇔ i=n+k
となるので、2n回のうち表がn+k回、裏がn-k回出ればよい。
よって、その確率は、
$\scriptsize\sf{\begin{align*} \sf _{2n}C_{n+k}\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n+k}\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{n-k}=\underline{\ _{2n}C_{n+k}\cdot\left(\frac{1}{2}\right)^{2n}\ }\end{align*}}$
である。
(4)は(3)の結論をうまく使いましょう。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2018/10/26(金) 01:19:00|
- 大学入試(数学) .全国の大学 .東北大 文系 2010
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