台風が関西を直撃するみたいです。昼間は結構激しい雨でしたが、
夕方には止んだので、いつも通りの授業です。
警報なんて無視です!!!
第2問
次の2つの条件(ⅰ)、(ⅱ)をみたす自然数nについて考える。
(ⅰ) nは素数ではない。
(ⅱ) L、mを1でもnでも正の約数とすると、必ず
|L-m|≦2
である。
このとき、以下の問いに答えよ。
(1) nが偶数のとき、(ⅰ)、(ⅱ)をみたすnをすべて求めよ。
(2) nが7の倍数のとき、(ⅰ)、(ⅱ)をみたすnをすべて求めよ。
(3) 2≦n≦1000の範囲で、(ⅰ)、(ⅱ)をみたすnをすべて求めよ。
----------------------------------------
【解答】
条件(ⅰ)より、nの約数は3個以上あり、そのうちで
2番目に小さい数をA
2番目に大きい数をB
とすると、
AB=n ・・・・①
である。また、条件(ⅱ)より、
B-A=0、1、2 ・・・・②
となる。
ここで、Aが合成数であるとすると、Aより小さい1以外の約数が
存在することになり、Aが2番目に小さいことに矛盾するので、
Aは素数である。
(1)
nが偶数のとき、A=2となるので、②より
B=2、3、4.
これと①より、
n=4、6、8
(3)
(ア)B=Aのとき
①より、n=A2であり、Aは素数なので
n=22、32、52、72、112、132、172、192、232、292、312、・・・
このうち、2≦n≦1000を満たすものは、
n=4、9、25、49、121、169、289、361、529、841、961
(イ)B=A+1のとき
①より、n=A(A+1)であり、連続2整数の積は偶数なので、
nは偶数。
条件を満たすものは、(1)より、
A=2、B=3
のみであり、このときのnは、
n=6
(ウ)B=A+2のとき
Aは素数なので、A、Bの組として考えられるのは、
(A,B)=(2,4)、(3,5)、(5,7)、(7,9)、(11,13)、(13,15)、
(17,19)、(19,21)、(23,25)、(29,31)、(31,33)、
(37,39)、(41,43)、・・・・
このうちで、BがAよりも小さい約数をもつと、
Aが2番目に小さいという条件に反するので、
そのようなものを除くと、
(A,B)=(2,4)、(3,5)、(5,7)、(11,13)、(17,19)、
(29,31)、(31,33)、(41,43)、・・・・
①と2≦n≦1000より、
n=8、15、35、143、323、899
以上より、(ⅰ)、(ⅱ)を満たすnは、
4、6、8、9、15、25、35、49、121、143、
169、289、323、361、529、841、899、961
(2)
(3)より、nが7の倍数となるのは、
n=35、49
面倒なので、(3)を先にやっちゃいました。
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- 2012/06/19(火) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .大阪大 理系 2012
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第4問
5次式f(x)=x5+px4+qx3+rx2+sx+t (p、q、r、s、tは実数)
について考える。このとき、以下の問いに答えよ。
(1) 数列f(0)、f(1)、f(2)、f(3)、f(4)が等差数列であることと、
f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+Lx+m
(L、mは実数)と書けることは互いに同値であることを示せ。
(2) f(x)は(1)の条件をみたすものとする。αを実数、kを3以上の自然数
の自然数とする。k項からなる数列
f(α)、f(α+1)、f(α+2)、・・・・、f(α+k-1)
が等差数列となるようなα、kの組をすべて求めよ。
--------------------------------------------
【解答】
(1)
f(0)=t なので、等差数列の初項はtであり、公差をdとおくと、
f(1)=t+d、 f(2)=t+2d、
f(3)=t+3d、 f(4)=t+4d ・・・①
ここで、
g(x)=f(x)-(t+dx)
とおくと、
g(0)=g(1)=g(2)=g(3)=g(4)=0
となるので、g(x)はx(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)を因数にもつ。
f(x)はx5の係数が1の5次式なので、g(x)もx5の係数が1の
5次式となる。
よって、
g(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)
より、
f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+t+dx
を得る。
この式において、d=L、t=mとおくと、題意を満たすことになる。
逆に、f(x)=x(x-1)(x-2)(x-3)(x-4)+Lx+m のとき、
f(0)=m、 f(1)=L+m、 f(2)=2L+m
f(3)=3L+m、 f(4)=4L+m
となるので、
f(0)、f(1)、f(2)、f(3)、f(4)は公差Lの等差数列である。
(2)
3数f(α)、f(α+1)、f(α+2)が等差数列をなすとする。
f(α)=α(α-1)(α-2)(α-3)(α-4)+Lα+m
f(α+1)=(α+1)α(α-1)(α-2)(α-3)+L(α+1)+m
f(α+2)=(α+2)(α+1)α(α-1)(α-2)+L(α+2)+m
より、2項間の差は、
f(α+1)-f(α)=5α(α-1)(α-2)(α-3)+L
f(α+2)-f(α-1)=5(α+1)α(α-1)(α-2)+L
となり、等差数列なので、これらが等しい。
5α(α-1)(α-2)(α-3)+L=5(α+1)α(α-1)(α-2)+L
⇔ 20α(α-1)(α-2)=0
⇔ α=0、1、2
一方、
f(3)=3L+m
f(4)=4L+m
f(5)=5L+m+120
となるので、
f(5)-f(4)≠f(4)-f(3)
なので、3数f(3)、f(4)、f(5)が等比数列をなすことはない。
以上より、等差数列になるのは、
f(0)、f(1)、f(2)、f(3)、f(4)
以外には存在しないので、
k=3のとき
f(0)、f(1)、f(2) または f(1)、f(2)、f(3) または
f(2)、f(3)、f(4)
k=4のとき
f(0)、f(1)、f(2)、f(3) または f(1)、f(2)、f(3)、f(4)
k=5のとき
f(0)、f(1)、f(2)、f(3)、f(4)
よって、求めるαとkの値の組は、
(α,k)=(0,3)、(1,3)、(2,3)、(0,4)、(1,4)、(0,5)
の6組である。
阪大は、去年の問題が前代未聞の難しさだったので、
その反動か、今年は普通にとっつきやすい問題ばかりです。
その中で唯一、難しめなのが本問。
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- 2012/06/21(木) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .大阪大 理系 2012
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