台風が上陸しそうですね。橿原市にも警報が出ていたみたいですが、
たいした雨も降らなかったので通常通りに授業をしました。
では、京大の続きです。
第4問
n は2以上の整数であり、
であるとき、
不等式
(1-\rm a_2)\ldots (1-\rm a_n)\ %3e\ 1-\left(\rm a_1%2b\frac{\rm a_2}{2}%2b \ldots %2b \frac{\rm a_n}{2^{n-1}}\right))
が成立することを示せ。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2011/07/20(水) 02:12:37|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 理系 2011
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昨日で一学期の授業が終了です。といっても、いきなり今日から夏期講習なのですが……。
では、京大の続きです。
第5問
xyz空間で、原点Oを中心とする半径
の球面 S と3点 (4,0,0)、(0,4,0)、(0,0,4) を
通る平面 α が共有点を持つことを示し、点 (x,y,z) がその共有点全体の集合を動くとき、
積 xyz の取り得る値の範囲を求めよ。
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なんか京大の問題っぽくなってきましたね。
前半は、座標空間における平面の方程式、点と平面の距離の公式を用いれば、簡単にいくでしょう。
しかし、これらは教科書では発展学習としてしか扱われていないので、学校で習っていないという
生徒も多いみたいです。京大を受験するのであれば必須なのですが、ここではこれらを使わずに
解いてみることにします。きれいな図形なのでうまくいくはず。 
A(4,0,0)、B(0,4,0)、C(0,0,4)とすると、
OA=OB=OC
また、AB=BC=CAでもあるので、四面体OABCは
△ABCを底面とする正三角錐になる。
よって、点Oから△ABCに下ろした垂線の足Hは、
△ABCの外心。
△ABCは正三角形なので、点Hは△ABCの重心
でもあるので、
)
球の中心Oからの距離と半径を比較すると、

よって、点Hは球の内部にあるので、平面αと球面は共有点をもつ。
まぁ前半部分はこんな感じでいいんじゃないでしょうか。
さて、後半部分ですが図形的なイメージがつかみにくいでしょうから、数式でごり押しです。
x、y、zについての対称式なので、まずは基本対称式であるx+y+z、xy+yz+zx、xyz
の3つをつくり、解と係数の関係で3次方程式にもちこんでみましょう。 平面αと球面との共有点P(x,y,z)を考える。
まず、Pは球面上にあるので、OP
2=x
2+y
2+z
2=6 ・・・・・①
次に、点Pは平面ABC上にあるので、a+b+c=1 ・・・・・② を満たす実数a,b,cを用いて、

と表せる。これに成分を代入すると、
(x,y,z)=(4a,4b,4c)
これと②より、
x+y+z=4 ・・・・・・③
が得られる。
また、①、③より、
xy+yz+zx={(x+y+z)
2-(x
2+y
2+z
2)}÷2=5 ・・・・・④
xyz=kとおくと、
3次方程式の解と係数の関係より、x、y、zはsについての3次方程式
s
3-4s
2+5s-k=0・・・・・⑤
の3解になる。これを
s
3-4s
2+5s=k・・・・・⑤'
と変形し、f(s)=s
3-4s
2+5s とおく。
f'(s)=3s
2-8s+5=(s-1)(3s-5)
より、f(s)の増減表およびt=f(s)のグラフは下の通り


⑤の方程式の解は、t=f(s)のグラフと
直線t=kとの交点を考えればよい。
x、y、zは実数なので、⑤が重解も含めて
3つの実数解をもつためには、

であればよい。
よって、xyzの取り得る値の範囲は、
うまく3次方程式に持ち込めたが勝負の分かれ目でしょうか。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2011/07/21(木) 02:15:55|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 理系 2011
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講習会初日終了!明朝から早起きモードなので、頑張らねばいけません。
今日で2011年の京大の問題は終わりです。
第6問
空間内に四面体ABCDを考える。このとき、4つの頂点A、B、C、Dを同時に通る球面が存在することを示せ。
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まさに京大!っていう感じの問題ですね。まったく誘導がないので、
こういった問題に慣れていないと、何から手を付けたらいいのかすら
分からないかと思います。
残念ながら、座標計算や、ベクトル計算では、大変なことになって
しまいますので、図形の性質のみを使って考えていく必要があります。
中学生っぽい解き方ですが、これが苦手な高校生が多いんですよね。 
四面体ABCDにおいて、△BCDの外心Hを通り、平面BCDに
垂直な直線をLとする。
ここで、Hは外心なのでBH=CH=DHであり、
L上にHと異なる点Pをとると、∠PHB=∠PHC=∠PHD=90°
となるので、
△PHB≡△PHC≡△PHD
よって、PB=PC=PD
このことは、Pの位置によらないので、
「L上の任意の点は3点B、C、Dから等距離にある」ことが言える。・・・・・・①

一方、辺ABの中点Mを通り、辺ABに垂直な平面を
αとする。
α上にMと異なる点Qをとると、AM=BM、∠AMQ=∠BMQ=90°
となり、
△AMQ≡△BMQ
よって、QA=QB
このことは、Qの位置によらないので、
「
α上の任意の点は2点A、Bから等距離にある」ことが言える。・・・・・・②

Lと
αが平行であると仮定すると、Lと辺ABは垂直になるので
辺ABは平面BCD上に含まれることになる。
しかしこれは、4点A、B、C、Dが四面体をなすことに
反するので、Lと
αは平行にはならない。
従って、平面
αと直線Lはただ1点で交わり、その交点をOと
すると、②より、点Oは4点A、B、C、Dから等距離にある。
よって、点Oを中心として点Aを通る球は、他の3点B、C、Dも通ることになるので、題意は示された。
少し丁寧に書きすぎた感はありますが、もう少し大ざっぱな証明でもいいと思います。
定点から等距離にある点の集合について下にまとめておきますので参考にしてください。
【平面の場合】
定点Aから等距離にある点の集合
…… Aを中心とする円
2定点A、Bから等距離にある点の集合
…… 線分ABの垂直二等分線
三角形をなす3定点A、B、Cから等距離にある点の集合
…… △ABCの外心
【空間の場合】
定点Aから等距離にある点の集合
…… Aを中心とする球
2定点A、Bから等距離にある点の集合
…… 線分ABの中点を通り、ABに垂直な平面(線分ABの二等分面)
三角形をなす3定点A、B、Cから等距離にある点の集合
…… △ABCの外心を通り、平面ABCに垂直な直線
四面体をなす4定点A、B、C、Dから等距離にある点の集合
…… 四面体ABCDの外心
図がなくてもイメージできますか?
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- 2011/07/22(金) 01:18:32|
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