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青木ゼミ青木

橿原市の個別指導塾 青木ゼミの塾長ブログ

質問をいただきました




【問題】
  袋の中に0から4までの数字のうち1つが書かれたカードが1枚ずつ
  合計5枚入っている。4つの数0,3,6,9をマジックナンバーと呼ぶ
  ことにする。次のようなルールをもつ1人で行うゲームを考える。
   [ルール]
    袋から無作為に1枚ずつカードを取り出していく。ただし、一度
    取り出したカードは袋に戻さないものとする。取り出したカードの
    数字の合計がマジックナンバーになったとき、その時点で負けとし、
    それ以降はカードを取り出さない。途中で負けとなることなく、
    すべてのカードを取り出せたとき、勝ちとする。
  以下の問に答えよ。

 (1) 2枚のカードを取り出したところで負けとなる確率を求めよ.



【質問】
  カードの取り出し方の総数5P2=20(通り)となっていますが、
  1枚目のカードが0,3の場合は(その時点で負けとなり)、2枚目の
  カードを引けないので、設問にあるの「2枚のカードを取り出した」
  という条件を満たしません。
  よって、この場合を除外すると、1枚目に1,2,4のカードを引く必要
  があり、2枚目は残った4枚の内のいずれかなので、取り出し方の
  総数は3×4=12通り ではないのでしょうか?



【回答】
 (なぜ12通りではダメなのか)
   2枚のカードを取ち出すまでにで起こる事象は、
     (ア) 1枚のカードを取り出したところで負けとなる
     (イ) 2枚のカードを取り出したところで負けとなる
     (ウ) 2枚のカードを取り出したところで負けとならない
   の3つの場合があります。
   取り出し方の総数を 3×4=12通り としてしまうと、
   (ア)の場合が含まれないので、マズイのです。



 (ではどう考えるか)
   2枚のカードを取り出したところで負けとなるのは、
    「1枚目で負けにならない」かつ「2枚目で負けになる」図04
   場合なので、2つの事象A、Bを
     A… 1枚目が1,2,4のいずれかである。
     B… 2枚の和が0,3,6,9のいずれかになる。
   とおくと、求める確率はP(A∩B)です。
   よって、
       $\small\sf{\begin{align*}\sf P(A\cap B)=P(A)\times P_A(B)=\frac{3}{5}\times\frac{4}{12}=\frac{1}{5}\end{align*}}$
   と求めることができます。
   条件付き確率PA(B)は右表を参考にしてください。



 (なぜ5P4なのか)
   ただ、上のような考え方だと、枚数が増えたとき面倒なことに
   なってしまいます。
   例えば、4枚のカードを取り出したところで負けとなるのは、
     「1枚目で負けにならない」かつ
     「2枚目で負けにならない」かつ
     「3枚目で負けにならない」かつ
     「4枚目で負けになる」
   場合を考える必要があり、イヤになってしまいます。

   そこでっ!

   楽に計算できるように、ルールを勝手に変えてしまいましょう(笑)!

   数字の合計がマジックナンバーになったとき、その時点で負けとする
   のは同じですが、それ以降もカードを取り続けることにしてしまうのです。
   (1)の場合、1枚目に0か3を引いて負けになった場合でも2枚目を引く
   ことにします。もちろん2枚目にどの数字が出ようが、1枚目で負けた
   ことには変わりありません。
  
   こうすると、すべての事象が同様に確からしくなりますし、
   1枚目で負ける確率にも影響が出ません。
   よって、求める確率は、右表より
       $\small\sf{\begin{align*}\sf P(A\cap B)=\frac{4}{_5P_4}=\frac{1}{5}\end{align*}}$図03
   と求めることができます。






 




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  1. 2018/10/05(金) 02:01:00|
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nのn乗根の極限について


卒業生から「nのn乗根の極限」の求め方について質問を受けました。
以下の通り誘導をつけましたので、少し考えてみてください。




 問い
  次の問いに答えよ。ただし、nは自然数、eは自然対数の底とする。

 1)極限 $\small\sf{\begin{align*}\sf \lim_{n\rightarrow\infty}\ \frac{e^n}{n}\end{align*}}$ を求めよ。

 2)極限 $\small\sf{\begin{align*}\sf \lim_{n\rightarrow\infty}\ \frac{\log n}{n}\end{align*}}$ を求めよ。

 3)極限 $\small\sf{\begin{align*}\sf \lim_{n\rightarrow\infty}\ \sqrt[\sf n]{\sf n}\end{align*}}$ を求めよ。




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  1. 2018/10/05(金) 02:02:07|
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3分の1公式・12分の1公式について



  先日の記事で紹介した積分の公式の証明について、
  yahoo!知恵袋の方で質問があがっていましたので、
  回答しておきます。
    http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/
  
   
 ① 「3分の1公式」の証明

   簡単のため、放物線 y=ax2 (a>0)を考える。
      y’=2ax図13
   より、放物線上の点(p,ap2)における接線Lは
         y-ap2=2ap(x-a)
       ⇔ y=2apx-ap2
   よって、求める面積は、
       $\small\sf{\begin{align*}\sf S=\int_p^q\ \left(ax^2-(2apx-ap^2)\right)\ dx\end{align*}}$
        $\small\sf{\begin{align*}\sf =a\int_p^q\ \left(x-p\right)^2\ dx\end{align*}}$
        $\small\sf{\begin{align*}\sf =a\ \left[\frac{1}{3}(x-p)^3\right]_p^q\end{align*}}$
        $\small\sf{\begin{align*}\sf =\frac{a}{3}(q-p)^3\end{align*}}$
   一般のy=ax2+bx+cについても、
   y=ax2を平行移動させるだけなので成り立つ。


    まぁ、そのまま計算するだけなので、証明というほど大したものでは
    ありませんが、(x-p)2と因数分解してから積分をすると、キレイに
    計算できます。 



  
   
 ② 「12分の1公式」の証明

   ここでも放物線 y=ax2 (a>0)で考える。
   点(p,ap2)、(q,aq2)(p≠q)における
   接線L、L’はそれぞれ
       L :y=2apx-ap2図15
       L':y=2aqx-aq2
   まず、これらの交点を求める。
        2apx-ap2=2aqx-aq2
      ⇔ 2a(p-q)x=a(p2-q2)
   a≠0、p≠qより、
        $\small\sf{\begin{align*}\sf x=\frac{p+q}{2}\end{align*}}$

   求める部分を直線
        $\small\sf{\begin{align*}\sf x=\frac{p+q}{2}\end{align*}}$
   で2つに分割し、それぞれに①の3分の1公式を用いると、
   その面積は、
       $\small\sf{\begin{align*}\sf S=\frac{a}{3}\left(\frac{p+q}{2}-p\right)^3+\frac{a}{3}\left(q-\frac{p+q}{2}\right)^3\end{align*}}$
        $\small\sf{\begin{align*}\sf =\frac{a}{3}\left(\frac{q-p}{2}\right)^3+\frac{a}{3}\left(\frac{q-p}{2}\right)^3\end{align*}}$
        $\small\sf{\begin{align*}\sf =\frac{a}{12}\left(q-p\right)^3\end{align*}}$

   一般のy=ax2+bx+cについても、
   y=ax2を平行移動させるだけなので成り立つ。


    こちらもそのまま計算するだけですが、3分の1公式を使えば楽に計算できます。 



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  1. 2018/10/05(金) 02:03:00|
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