第2問
素数p、qを用いて
pq+qp
と表される素数をすべて求めよ。
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【解答】
M=pq+qp
とおく。p、qは素数なので、p≧2、q≧2である。
これより、
M≧22+22=8
となるので、Mは奇数である。
よって、pqとqpのうち、一方は奇数、他方は偶数である。
式の対称性より、pqが偶数である、すなわちp=2としても一般性を
失わないので、
M=2q+q2
と表される。
q=3のとき
M=23+32=17
q>3のとき
qは3の倍数でも2の倍数でもないので、自然数nを用いて
q=6n±1
と表すことができる。mod6の合同式を考えると、
(ⅰ) M≡26n+1+(6n+1)2
≡2・64n+1
≡2・4n+1
(ⅱ) M≡26n-1+(6n-1)2
≡32・64n+1
≡2・4n+1
ここで、42≡16≡4 なので、
任意のnに対して、4n≡4となる。
よって、(ⅰ)、(ⅱ)いずれの場合も
M≡2・4+1≡9≡3
なので、Mは6で割って3余る数、すなわち3の倍数となるので
Mは素数ではない。
以上より、求める素数は17である。
p=2のあとは、
23+32=17
25+52=57=3×19
27+72=177=3×59
211+112=2169=3×723
と実験してみれば、17以外は3の倍数になることが予想できます。
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- 2016/03/22(火) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 理系 2016
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第3問
四面体OABCが次の条件を満たすならば、それは正四面体である
ことを示せ。
条件:頂点A、B、Cからそれぞれの対を含む平面へ下した垂線は
対面の外心を通る。
ただし、四面体のある頂点の対面とは、その頂点を除く他の3つの
頂点がなす三角形のことをいう。
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【解答】
Aから対面に下した垂線の足をHとおくと、
∠AHO=∠AHB=∠AHC=90°
題意より、Hは△OBCの外心なので、
OH=BH=CH
よって、
△AHO≡△AHB≡△AHC
となるので、AO=AB=ACである。
同様にして、BおよびCから対面に下した垂線を考えると
BO=BA=BC、 CO=CA=CB
以上より、すべての辺の長さが等しくなるので、
四面体OABCは正四面体である。

京大ではよく出るパターンですが、これは難しくありませんね。
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- 2016/03/23(水) 23:57:00|
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