第5問
n、a、bを0以上の整数とする。a、bを未知数とする方程式
(*) a2+b2=2n
を考える。
(1) n≧2とする。a、bが方程式(*)を満たすならば、a、bは
ともに偶数であることを証明せよ。(ただし、0は偶数に
含める。)
(2) 0以上の整数nに対して、方程式(*)を満たす0以上の
整数の組(a,b)をすべて求めよ。
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【解答】
(*) a2+b2=2n
(1)
・a、bの一方が奇数、他方が偶数のとき
(奇数)2+(偶数)2=奇数
となり、明らかに(*)は成り立たない。
・a、bがともに奇数のとき
a=2A+1、 b=2B+1 (A、Bは0以上の整数)
とおくと、
a2+b2=4(A2+A+B2+B)+2
となり、a2+b2は4で割って2余る数になる。
n≧2のとき、2nは4の倍数となので、(*)は成り立たない。
以上より、a、bが(*)を満たすとき、a、bはともに偶数である。
(2)
(ⅰ) n=0のとき
(*) a2+b2=20=1
となるので、これを満たす0以上の整数a、bの組は、
(a,b)=(0,1)、(1,0)
(ⅱ) n=1のとき
(*) a2+b2=2
となるので、これを満たす0以上の整数a、bの組は、
(a,b)=(1,1)
(ⅲ) nが2以上の偶数のとき
n=2N (N:1以上の整数)とおくと、
(*) a2+b2=22N
このとき、(1)よりa、bはともに偶数なので
a=2a1、 b=2b1
とおくと、
(2a1)2+(2b1)2=22N ⇔ a12+b12=22(N-1)
N-1≧1のとき、(1)よりa1、b1はともに偶数なので
a1=2a2、 b1=2b2
とおくと、
(2a2)2+(2b2)2=22(N-1) ⇔ a22+b22=22(N-2)
以下も同様に、
a2=2a3、a3=2a4、・・・・、aN-1=2aN
b2=2b3、b3=2b4、・・・・、bN-1=2bN
とおいて、同じ操作を繰り返すと、
aN2+bN2=22(N-N)=1
を得る。
このとき(ⅰ)より、(aN,bN)=(0,1)、(1,0)
であり、
a=2a1=22a2=・・・=2NaN
b=2b1=22b2=・・・=2NbN
なので、
(a,b)=(0,2N)、(2N,0)
(ⅳ) nが2以上の奇数のとき
n=2N+1 (N:1以上の整数)とおくと、
(*) a2+b2=22N+1
となり、(ⅲ)と同様に考えると、
aN2+bN2=22(N-N)+1=2
を得る。
このとき(ⅱ)より、(aN,bN)=(1,1)
なので、
(a,b)=(2N,2N)
(ⅰ)、(ⅲ)より、nが偶数のとき
=\underline{\ \left(0\ ,\ 2^{\frac{n}{2}}\right)\ \ ,\ \ \left(2^{\frac{n}{2}}\ ,\ 0\right)\ })
(ⅱ)、(ⅳ)より、nが奇数のとき
=\underline{\ \left(2^{\frac{n-1}{2}}\ ,\ 2^{\frac{n-1}{2}}\right)\ })
これは書きにくい問題ですね。
(2)は(1)を上手く使う必要があります。
テーマ:数学 - ジャンル:学問・文化・芸術
- 2015/01/20(火) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 文系 2004
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