第3問
Q(x)を2次式とする。整式P(x)はQ(x)では割り切れないが、
{P(x)}2はQ(x)で割り切れるという。このとき2次方程式
Q(x)=0は重解を持つことを示せ。
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【解答】
Q(x)は2次式なので、実数a(≠0)および複素数α、βを用いて
Q(x)=a(x-α)(x-β) ・・・・・・(i)
と表すことができる。
題意より、{P(x)}2はQ(x)で割り切れるので、{P(x)}2はx-αとx-β
を因数に持つことになる。
よって、因数定理より
{P(α)}2={P(β)}2=0 ⇔ P(α)=P(β)=0 ・・・・・・(ii)
ここで、α≠βとすると、(ii)より、p(x)は異なる2つの因数x-αとx-β
を持つことになるので、整式R(x)を用いて
P(x)=(x-α)(x-β)R(x) ・・・・・・(iii)
と表すことができる。
(i)、(iii)より
=\frac{1}{a}\ Q(x)\ R(x)\ \ \ \ \ \left(\because a\ne 0\right))
と表すことができるので、P(x)がQ(x)で割り切れないことに矛盾する。
よって、α=βであり、
方程式 Q(x)=a(x-α)2=0は、重解x=αを持つ。
背理法だと答案が書きやすいですね。
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- 2014/07/02(水) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 文系 2006
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第5問
n、kは自然数で、k≦nとする。穴のあいた2k個の白玉と
2n-2k個の黒玉にひもを通して輪を作る。このとき適当な
2箇所でひもを切ってn個ずつの2組に分け、どちらの組も
白玉k個、黒玉n-k個からなるようにできることを示せ。
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【解答】
輪になった2n個の玉を順にP1、P2、・・・、P2nとする。
1≦i≦n+1である自然数iに対して、
連続するn個の玉Pi、Pi+1、・・・、Pi+n-1 の集まりをAiとし、
Aiに含まれる白玉の個数をaiとすると、
ai=kとなるiが存在することを示せばよいことになる。
AiとAi+1を比較すると、Pi+1~Pi+n-1のn-1個は一致するので、
aiとai+1の関係は、
(ア) PiとPi+nの色が同じ場合
ai+1=ai
(イ) Piが白、Pi+nが黒の場合
ai+1=ai-1
(ウ) Piが黒、Pi+nが白の場合
ai+1=ai+1
となる。
また、A1とAn+1を合わせると、ちょうど輪全体と一致するので、
a1+an+1=2k ・・・・・・(#)
(ⅰ) a1=kのとき
i=1とすれば題意を満たすことになる。
(ⅱ) a1>kのとき
(#)より、an+1<k<a1 であり、a2、a3、・・・、anは、
(ア)、(イ)、(ウ)の規則に従って変化する(値が減る場合は
1ずつ減る)ので、ai=kとなるiが存在する。
(ⅲ) a1<kのとき
(ⅱ)と同様に、ai=kとなるiが存在する。
以上より、題意は示された。
これは書きにくい問題ですねぇ。
受験生の大半がまったく手つかずだったのでは・・・・・
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- 2014/07/03(木) 23:57:00|
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