第1問
Q(x)を2次式とする。整式P(x)はQ(x)では割り切れないが、
{P(x)}2はQ(x)で割り切れるという。このとき2次方程式
Q(x)=0は重解を持つことを示せ。
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【解答】
Q(x)は2次式なので、実数a(≠0)および複素数α、βを用いて
Q(x)=a(x-α)(x-β) ・・・・・・(i)
と表すことができる。
題意より、{P(x)}2はQ(x)で割り切れるので、{P(x)}2はx-αとx-β
を因数に持つことになる。
よって、因数定理より
{P(α)}2={P(β)}2=0 ⇔ P(α)=P(β)=0 ・・・・・・(ii)
ここで、α≠βとすると、(ii)より、p(x)は異なる2つの因数x-αとx-β
を持つことになるので、整式R(x)を用いて
P(x)=(x-α)(x-β)R(x) ・・・・・・(iii)
と表すことができる。
(i)、(iii)より
=\frac{1}{a}\ Q(x)\ R(x)\ \ \ \ \ \left(\because a\ne 0\right))
と表すことができるので、P(x)がQ(x)で割り切れないことに矛盾する。
よって、α=βであり、
方程式 Q(x)=a(x-α)2=0は、重解x=αを持つ。
背理法だと答案が書きやすいですね。
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- 2014/06/25(水) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 理系 2006
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第4問
2以上の自然数nに対し、nとn2+2がともに素数になるのはn=3
の場合に限ることを示せ。
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【解答】
(ⅰ) nが3の倍数のとき
nが素数になるのは、n=3のときのみであり、
このとき、n2+2=11より、n2+2も素数となり、条件を満たす。
(ⅱ) nが3の倍数でないとき
nは、自然数mを用いて n=3m±1 と表せるので、
n2+2=(3m±1)2+2
=9m2±6m+3
=3(3m2±2m+1) (複号同順)
となり、mは自然数なので、n2+2は3の倍数である。
これが素数になるのは、
n2+2=3 すなわち、 n=1(>0)
のときであるが、1は素数ではないので、(ⅱ)の場合は
条件を満たさない。
以上より、題意は示された。
3で割った剰余で分類することに気づかなければ、厳しいでしょうね。
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- 2014/06/28(土) 23:57:00|
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