青木ゼミ青木大学入試(数学)　.関西の国立大学　.京都大　理系　2007乙

2007京都大　理系数学（乙）１

第１問

　　次の各問にそれぞれ答えよ。

　(１) 定積分
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　を求めよ。

　(２) 1歩で1段または2段のいずれかで階段を昇るとき、1歩で2段
　　　昇ることは連続しないものとする。15段の階段を昇る昇り方は
　　　何通りあるか。

解答はこちら↓

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
【解答】

　(１)
　　　求める定積分をIとすると、　
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　と変形できる。
　　　ここで、t＝x²＋4とおくと、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　であり、x：0→2に対応するtはt：4→8なので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　また、x＝2tanθとおくと、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　であり、x：0→2に対応するθはθ：0→π/4なので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　←積分区間内ではcosθ＞0
　　　さらに、s＝sinθとおくと、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　であり、θ：0→π/4に対応するsはs：0→ $橿原学習塾青木ゼミ$ なので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　以上より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$

　(２)
　　　1歩で1段昇る昇り方をP、1歩で2段昇る昇り方をQとする。
　　　Qが連続することなく15段の階段を昇るには、次の場合が
　　　考えられる。
　　　　(ア)Pのみ15回の場合は1通り
　　　　(イ)Qが1回とPが13回
　　　　　　　13個並べてPの間および両端のいずれかにQを
　　　　　　　1個並べる場合を考えればよいので
　　　　　　　　　₁₄C₁＝14通り
　　　　(ウ)Qが2回とPが11回
　　　　　　　　　₁₂C₂＝66通り
　　　　(エ)Qが3回とPが9回
　　　　　　　　　₁₀C₃＝120通り
　　　　(オ)Qが4回とPが7回
　　　　　　　　　₈C₄＝70通り
　　　　(カ)Qが5回とPが5回
　　　　　　　　　₆C₅＝6通り
　　　Qが6回以上の場合は、Pより回数が多くなり、
　　　少なくとも1ヶ所でQが連続してしまうので不適。
　　　以上より
　　　　　　　1＋14＋66＋120＋70＋6＝277通り

　　(１)は、まず2つに分けることに気づきましょう。　　

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2013/11/01(金) 23:57:00|

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2007京都大　理系数学（乙）２

第２問

　　x、yを相異なる正の実数とする。数列{a_n}を
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　によって定めるとき、 $橿原学習塾青木ゼミ$ が有限の値に収束するような
　　座標平面上の点(x，y)の範囲を図示せよ。

解答はこちら↓

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
【解答】

　　　両辺をyⁿ⁺¹（≠0）で割ると、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ．
　　　となり、 $橿原学習塾青木ゼミ$ とおくと、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ．
　　　この漸化式は
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　と変形できるので、数列 $橿原学習塾青木ゼミ$ は等差数列をなす。
　　　よって、　
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　････(*)

　　　(ⅰ) x＞yのとき　　　　　
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　と変形でき、x＞y＞0より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　なので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ．
　　　　　　これが有限の値に収束するのは、
　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　のときである。

　　　(ⅱ) x＜yのとき　　　　　
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　と変形でき、y＞x＞0より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　なので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ．
　　　　　　これが有限の値に収束するのは、
　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　のときである。

　　　　(ⅰ)、(ⅱ)より、条件を満たすような点(x，y)の範囲を
　　　　図示すると、下図のようになる。
　　　　ただし、座標軸上の点および直線y＝x上の点は除く。

　　　　　　　　　

　　係数が文字なので少しイヤですが、このパターンの漸化式は解けますよね？　　

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2013/11/02(土) 23:57:00|

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2007京都大　理系数学（乙）３

第３問

　　pを3以上の素数とする。4個の整数a、b、c、dが次の3条件
　　　　　a＋b＋c＋d＝0
　　　　　ad－bc＋p＝0
　　　　　a≧b≧c≧d
　　を満たすとき、a、b、c、dをpを用いて表せ。

解答はこちら↓

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
【解答】

　　　　　　　　a＋b＋c＋d＝0　　･･････①
　　　　　　　　ad－bc＋p＝0　　･･････②
　　　　　　　　a≧b≧c≧d　　･･････③

　　　①を②に代入すると、
　　　　　　　　ad－b(－a－b－d)＋p＝0
　　　　　　⇔　p＝－(ab＋ad＋b²＋bd)
　　　　　　⇔　p＝－(a＋b)(d＋b)　　･･････④

　　　③より、a＋b≧d＋b であり、④においてp＞0なので、
　　　　　　　a＋b＞0　かつ　d＋b＜0
　　　また、④においてpは素数なので、
　　　　　　(ア) a＋b＝1、 d＋b＝－p
　　　　　　(イ) a＋b＝p、 d＋b＝－1
　　　の2つの場合が考えられる。

　　　(ア)の場合
　　　　　　a＋b＝1と①より、c＋d＝－1．
　　　　　　③より、
　　　　　　　　　　　b＋d≧c＋d
　　　　　　　　　⇔　－p≧－1
　　　　　　　　　⇔　　p≦1
　　　　　　これはpが3以上であることに反する。

　　　(イ)の場合
　　　　　　b＋d＝－1と①より、a＋c＝1．
　　　　　　これらと③より
　　　　　　　　　　　c≧d
　　　　　　　　　⇔　1－a≧－1－b
　　　　　　　　　⇔　　a≦b＋2．
　　　　　　これと、③より
　　　　　　　　　　　b≦a≦b＋2　･････⑤
　　　　　　ここでpは3以上の素数なので奇数であり、
　　　　　　このこととa＋b＝p　･････⑥ および⑤より
　　　　　　　　　　　a＝b＋1　･････⑦
　　　　　　となる。
　　　　　　⑥、⑦を連立させて解くと、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　であり、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$

　　pは素数なので、p＝1×pです。　　

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2013/11/03(日) 23:57:00|

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2007京都大　理系数学（乙）４

第４問

　　点Oを中心とする円に内接する△ABCの3辺AB、BC、CAを
　　それぞれ2：3に内分する点をP、Q、Rとする。△PQRの外心
　　が点Oと一致するとき、△ABCはどのような三角形か。

解答はこちら↓

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
【解答】

　　　△ABCの外接円の半径をRとし、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　とおくと、題意より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　･･････①
　　　また、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　であり、Oは△PQRの外心でもあるので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　　←①より
　　　となり、この値を
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　とおく。

　　　これらより、
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　となるので、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　より、△ABCは正三角形である。

　　幾何的な解法もありますが、ベクトル計算のほうが思いつきやすいと思います。　　

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2013/11/04(月) 23:57:00|

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2007京都大　理系数学（乙）５

第５問

　　Aを2次の正方行列とする。列ベクトル $橿原学習塾青木ゼミ$ に対し、 $橿原学習塾青木ゼミ$ を
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　によって定める。ある零ベクトルではない $橿原学習塾青木ゼミ$ について、3以上の
　　自然数mで初めて $橿原学習塾青木ゼミ$ が $橿原学習塾青木ゼミ$ と一致するとき、行列A^mが単位行列で
　　あることを示せ。

解答はこちら↓

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
【解答】

　　　与えられた条件式より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　となり、 $橿原学習塾青木ゼミ$ が $橿原学習塾青木ゼミ$ と一致するので、　
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　……①
　　　また、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　……②

　　　(ⅰ) $橿原学習塾青木ゼミ$ （k：実数）のとき
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　となるので、これを繰り返し用いると、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ．
　　　　　　よって、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　より、k^m＝1 すなわち、k＝1またはk＝－1となる。
　　　　　　このとき、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　
　　　　　　となり、これは、初めて $橿原学習塾青木ゼミ$ が $橿原学習塾青木ゼミ$ と一致する自然数mが
　　　　　　3以上であることに反する。
　　　　　　よって、(ⅰ)の場合はあり得ない。

　　　(ⅱ) $橿原学習塾青木ゼミ$ （k：実数）のとき
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　とおくと、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　……③
　　　　　　また、行列Bを
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　とすると、①、②より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ……④
　　　　　　ここで③より、Bのデターミナントは
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　となるので、Bの逆行列が存在する。
　　　　　　④の両辺に右からBの逆行列をかけると
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　となり、題意は示された。

　　条件式②、④あたりが難しいですかね。　　

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2013/11/05(火) 23:57:00|

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2007京都大　理系数学（乙）６

第６問

　　すべての実数で定義され何回も微分できる関数f(x)がf(0)＝0、
　　f’(0)＝1を満たし、さらに任意の実数a、bに対して
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　であって、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　を満たしている。

　(１) 任意の実数aに対して、－1＜f(a)＜1であることを証明せよ。

　(２) y＝f(x)のグラフはx＞0で上に凸であることを証明せよ。

解答はこちら↓

－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
【解答】

　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　……①
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　……②
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　……③

　(１)
　　　b＝－aとすると、題意より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　←②より
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　となり、これと①より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　……④

　　　一方、a＝bとすると、②より
　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　なので、1および－1との大小を比較すると、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ ．
　　　すなわち、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　となる。ここで、、2b＝aとすると
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　であり、④より
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　となるので、題意は示された。

　(２)
　　　微分係数の定義と③より、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　……⑤
　　　また、a＝xとおくと、導関数の定義より、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　←②より
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　←③、⑤より
　　　　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$ 　　……⑥
　　　これと(１)より、f’(x)＞0 となるので、f(x)は単調に増加し、
　　　③よりf(0)＝0なので、x＞0の範囲において常にf(x)＞0である。。

　　　ここで、⑥の両辺をxで微分すると、
　　　　　　　　 $橿原学習塾青木ゼミ$
　　　であり、x＞0において、f(x)＞0およびf’(x)＞0より、
　　　f”(x)＜0となる。
　　　よって、y＝f(x)のグラフはx＞0で上に凸である。

　　aとbに特殊な値をいろいろ代入してみてください。　　

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2013/11/06(水) 23:57:00|

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