第3問
nとkを自然数とし、整式xnを整式(x-k)(x-k-1)で割った
余りをax+bとする。
(1) aとbは整数であることを示せ。
(2) aとbをともに割り切る素数は存在しないことを示せ。
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【解答】
(1)
商をQとおくと、
xn=(x-k)(x-k-1)Q+ax+b
と表すことができる。
x=kを代入
kn=ak+b ・・・・①
x=k+1を代入
(k+1)n=a(k+1)+b ・・・・②
①、②を連立させて解くと、
a=(k+1)n-kn
b=(k+1)kn-k(k+1)n
(2)
a、bが共通の素因数pを持つと仮定すると、
a=pA 、b=pB
と表すことができる(A、Bは自然数)。
これらを①に代入すると、より
kn=kpA+pB=p(kA+B)
この右辺はpの倍数なので、knはpの倍数であり、
pは素数なので、kもpの倍数である。
同様に、②に代入すると、
(k+1)n=pA(k+1)+pB=p{A(k+1)+B}
となるので、k+1もpの倍数となる。
これらは、連続する2整数k、k+1が互いに素であることに
矛盾するので、aとbは互いに素である。
互いに素であることの証明は背理法で!
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- 2013/05/15(水) 23:57:00|
- 大学入試(数学) .関西の国立大学 .京都大 文系 2013
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第5問
投げたとき表が出る確率と裏が出る確率が等しい硬貨を用意する。
数直線上に石を置き、この硬貨を投げて表が出れば数直線上で
原点に関して対称な点に石を移動し、裏が出れば数直線上で座標1
の点に関して対称な点に石を移動する。
(2) 石が座標xの点にあるとする。2回硬貨を投げたとき、石が座標x
の点にある確率を求めよ。
(2) 石が原点にあるとする。nを自然数とし、2n回硬貨を投げたとき、
石が座標2nの点にある確率を求めよ。
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【解答】
(1)
2回投げたときの表裏の出方で場合分けすると、
(ⅰ) 表→表と出た場合
x→-x→x と変化し、値が変わらない。
(ⅱ) 表→裏と出た場合
x→-x→x+2 と変化し、値が2増える。
(ⅲ) 裏→表と出た場合
x→2-x→x-2 と変化し、値が2減る。
(ⅳ) 裏→裏と出た場合
x→2-x→x と変化し、値が変わらない。
よって、題意を満たすのは(ⅰ)、(ⅳ)の場合なので、
その確率は、
.
(2)
2n回投げて石が2nの点に来るためには、
(1)の(ⅱ)がn回続けばよいので、その確率は
^n\ })
である。
気づけば瞬殺の問題です!
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- 2013/05/17(金) 23:57:00|
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